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[ニュース]脱炭素へ産官学連携拠点完成 新潟・胎内にJX石油開発

 JX石油開発(東京)が開設した「中条共創の森オープンイノベーションラボ(NOiL=ノイル)」の新事務所が、新潟県胎内市村松浜に完成した。太陽光発電など再生エネルギーで施設の照明と空調を賄う環境に配慮した造り。脱炭素社会の実現へ、産官学が連携して新技術などを生み出す拠点施設に期待される。

中条共創の森オープンイノベーションラボ」の新事務所の外観

 新事務所は、同社の国内唯一の天然ガス生産拠点である中条油業所の敷地内に5月末に建設。同油業所が、生産する天然ガスを原料に、脱炭素につながり、次世代エネルギーに期待される「水素」の製造も試験的に取り組んでいることから、建設地に選ばれた。

打ち合わせなどにも活用できる多目的室

 施設は産官学の研究や交流の場としての利用を考えている。敷地内に広がる松林の景観に合わせた木造平屋建て(一部ロフト階有り)で、延べ床面積は499平方メートル。複数の会議室や応接室など分散した六部屋が中央のオープンスペースでつながる設計。利用者にリラックスして研究に取り組んでもらおうと、足湯も楽しめる。

利用者にリラックスしてもらおうと設置された足湯

太陽光と風力の発電設備を設置したほか、地中熱も利用して、施設内全ての照明と空調の電力を賄っている。省エネ設備や太陽光発電などを組み合わせ、建物のエネルギー収支を実質ゼロにするZEB(ゼブ、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の認証基準にも対応している。

事務所裏に設置された風車(左)

 施設は、一度に約50人が利用できるという。同ラボ所長の門沢伸昭さん(48)は「施設は、企業や大学など研究者が交流し、新しいことを生み出す拠点という役割。環境対応事業を考える場として、地域や地方団体の方々が講演会などにも使ってほしい」と話している。