ピックアップ

だつたんそうしよう!

[円卓会議]燃料電池の仕組み学ぶ ダイニチ工業が出前授業 臼井中学校(新潟・南区)

 地域の先進的な脱炭素の取り組みを学ぼうと、新潟市南区の臼井中学校で10月8日、出前授業が行われた。二酸化炭素(CO₂)の排出を抑えられる家庭用燃料電池システム「エネファーム」を製造する、地元のダイニチ工業の担当者が、燃料電池の仕組みなどを紹介した。

脱炭素に取り組む必要性を説明するダイニチ工業の担当者

 新潟日報社が新潟県と共催する「にいがた脱炭素プロジェクト」のプログラムの一つとして実施される「中学生円卓会議」の一環。臼井中学校を含めた県内5中学校が参加し、出前授業と企業・施設見学を通じて、脱炭素社会実現に向けた県内の取り組みを学ぶ。来年2月9日に、新潟日報メディアシップ(新潟市中央区)で開かれる「円卓会議」で成果を発表する。
 臼井中学校の出前授業は、円卓会議に向けた事前学習の皮切りだ。同中の2年生約20が参加。ダイニチ工業の担当者が、地球温暖化防止へ脱炭素に取り組む必要があることを説明した後、燃料電池の仕組みなどを、クイズを交えて分かりやすく紹介した。

燃えている水素を観察できる特殊なカメラ。生徒たちは真剣にカメラをのぞいていた

 授業では、生徒たちが4班に分かれて、燃料電池の発電方法である水素と酸素を化学反応させて電気を作る実験も行った。実験キットに水素と酸素を注入すると、接続された三つのプロペラが回転。生徒たちは「動いた」「すごい」と歓声を上げ、楽しそうに仕組みを学んだ。

実験キットに水素を注入する生徒(画像の一部を加工しています)

発電した電気でプロペラが回る様子を観察する生徒たち(画像の一部を加工しています)

 授業を真剣に取り組んだ、小林零旺さん(14)は「水素と酸素で発電できることを初めて知って驚いた。このシステムを製造しているダイニチ工業への興味が湧いた」と笑顔。講師を務めたダイニチ工業技術開発部の川﨑耕太さん(27)は「子どもたちが、喜んで学んでもらえるように工夫することが大変だった。燃料電池を通じて、最大限の喜びを与えられたと思い、安心している」と話している。
 次回は同社への見学で、11月1日を予定している。