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[円卓会議]コンクリート製造がCO₂削減 青海中学校(新潟・糸魚川)の生徒、デンカ訪問

 

デンカ青海工場に電力を供給する大網水力発電所=長野県小谷村

 地域の先進的な脱炭素の取り組みを学ぼうと、糸魚川市の青海中学校の1年生約60人が10月30日、化学メーカー・デンカ(本社・東京)の青海工場(同市青海)を訪れた。生徒たちは、同社と糸魚川市の脱炭素社会実現に向けた取り組みを学んだ。

展示スペースで陳列品を観察する生徒たち=糸魚川市青海の「Omi Innovation Hub」

 新潟日報社が新潟県と共催する「にいがた脱炭素プロジェクト」のプログラムの一つとして実施される「中学生円卓会議」の一環。青海中学校を加えた県内5中学校の生徒たちが、来年2月9日に新潟日報メディアシップ(新潟市中央区)で学んだ成果を発表する。
 青海中の生徒たちはこの日、バス2台で青海工場を訪問。広大な工場施設を管理する総合事務所「Omi Innovation Hub(オーミ・イノベーション・ハブ)」で、同社と糸魚川市の脱炭素への取り組みを聞いた。

脱炭素へ糸魚川市の取り組みを聞く生徒たち

 まず糸魚川市の担当者は、市内の平均気温が2024年までの45年間で1.5度上昇したことを紹介し、洪水や豪雨など大災害を引き起こす地球温暖化の原因が二酸化炭素(CO₂)など温室効果ガスと説明。「CO₂削減には、グリーンカーテンなど一つ一つの取り組みが大切だ」と訴えた。

脱炭素へデンカ青海工場での取り組みを聞く生徒たち

 デンカの担当者は、同社が製造するCO₂を吸収して造るコンクリートの紹介に加え、所有する水力発電所で青海工場の電力の一部を、再生可能エネルギーで賄っていることを説明した。担当者は「2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献するために、さらなる研究開発を進めていく」と話した。

糸魚川市内のデンカ工場の電力の一部を賄う水力発電所の歴史を紹介する映像を熱心に見る生徒たち=長野県小谷村の大網水力発電所の敷地内

 この後、生徒たちはバスに乗り換えて、青海工場内を車内から見学。同社の大網水力発電所(長野県小谷村)では、発電機2基がごう音を響かせて動く様子を見た。
 参加した生徒たちは「知らなかった」「すごく勉強になった」など思い思いの感想を話していた。