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[円卓会議]環境に優しい冷凍機を学ぶ 吉田中学校(新潟・燕)の生徒、ツインバード見学

家電製造のツインバード=新潟県燕市

 地元企業の脱炭素への取り組みを学ぼうと、新潟県燕市の吉田中学校科学部の1年生8人が12月12日、家電製造のツインバード(同市吉田西太田)を訪れた。冷媒にフロンガスを使わない環境に優しい冷凍機「フリーピストンスターリングクーラー(FPSC)」について詳しく知り、脱炭素への関心を深めた。

 新潟日報社が新潟県と共催する「にいがた脱炭素プロジェクト」の一つとして実施される「中学生円卓会議」の一環。県内5中学校が参加する事業は、これまでに、臼井中(新潟市)、青海中(糸魚川市)、中条中(胎内市)、安田中(阿賀野市)の4校で学習活動を行った。

企業紹介や製品などの説明を聞く生徒たち

 生徒たちは、最初に同社の製品が並ぶショールームで担当者から企業紹介や販売展開する二つのブランド「匠(たくみ)プレミアム」と「感動シンプル」の説明を受けた。

 この後、担当者はFPSCについて模型を使って解説。筒の中でピストンを上下に動かし、ヘリウムガスを繰り返し圧縮膨張させることで冷却する仕組みであることや、温度制御が精密にでき、小型・軽量で運搬しやすいなどの特長があることなどを紹介。「今では、新型コロナウイルスワクチンの運搬庫や、国際宇宙ステーションの冷凍冷蔵庫にも使われ、いろいろな分野で技術が生かされている」と語った。

FPSCの模型の様子を観察する生徒たち

 さらに、FPSCを製造する上で、利用するヘリウムガスを漏らさないために、「深絞りプレス加工」は重要な技術と説明。担当者は「高い加工技術を受け継いできた燕三条地域だからこそできた製品だ」と誇らしく述べた。最後にFPSCの製造工場を見学した。

FPSC製造工場を見学する生徒たち

 熱心にメモを取っていた、治田優月さん(13)は「FPSCの技術などいろいろなことが学べて、本当によかった。地元にツインバードがあることを誇りに感じた」と話していた。

 今回で参加校の学習活動は終了。生徒たちは、来年2月9日の「中学生円卓会議」(会場・新潟日報メディアシップ日報ホール)に向けて、学習の成果をまとめ、発表に備える。