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[円卓会議]新潟県内の中学5校の生徒、脱炭素の学び報告 新潟で成果発表会

地域の脱炭素の取り組みを学んだ成果発表会「中学生円卓会議」=2月9日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップ日報ホール

 脱炭素社会の実現に向けて、新潟県内の企業や自治体の取り組みを学習した中学生の成果発表会「中学生円卓会議」が2月9日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで開かれた。燃料電池や太陽光発電など脱炭素につながる技術や取り組みについて報告し、生徒たちは互いの学びを深めた。

学習成果を発表する新潟県内5中学校の生徒たち

 新潟日報社が県と共催する「にいがた脱炭素プロジェクト」の一環で、昨年度に続き2回目。2024年度は、中条中(胎内市)と安田中(阿賀野市)、臼井中(新潟市南区)、吉田中(燕市)、青海中(糸魚川市)の県内5校が参加。生徒たちは、昨年10月から12月にかけ、地元企業や自治体の講義と企業訪問を通じて脱炭素への理解を深めてきた。

学習成果を発表する中条中学校の生徒たち

 この日は、生徒や見学企業の担当者ら約70人が参加。保護者らが見守る中、中条中3年生の生徒は、洋上風力発電について、胎内市で2029年6月の事業開始を目指していることを報告。また、ENEOSXploraが、排出する二酸化炭素を回収して地中に取り込み、地下深くに閉じ込めてしまう技術(CCS)と、その二酸化炭素を油田に送り、油田の動きを活発化して増産を図るという技術(CCUS)を推進していることを紹介した。

学習成果を発表する安田中学校の生徒たち

 安田中1年生の生徒は、県営の新潟東部太陽光発電所(阿賀野市かがやき)で使用されるソーラーパネル取り付け金具を製造するサカタ製作所(本社・長岡市)阿賀野工場の脱炭素への取り組みを報告した。

学習成果を発表する臼井中学校の生徒たち

 臼井中2年生は、二酸化炭素(CO2)の排出を抑えられる家庭用燃料電池システム「エネファーム」を製造する、ダイニチ工業(同区)の取り組みを紹介した。

学習成果を発表する吉田中学校の生徒たち

 吉田中1年生の生徒は、見学したツインバードが、冷媒に地球温暖化の原因物質であるフロンガスではなくヘリウムガスを使用した「フリーピストンスターリングクーラー」と名付けられた製品を開発したことを報告。「この技術は世界で多くの人に役立っている」と訴えた。

学習成果を発表する青海中学校の生徒たち

 青海中1年生の生徒たちは、昨年10月末に見学したデンカ青海工場の水力発電所や同社の脱炭素を進める製品について紹介した。

「中学生脱炭素宣言」を読み上げる5中学校の代表生徒

 会議の最後には、各校代表の5人が脱炭素への取り組みを誓った「中学生脱炭素宣言」を読み上げた。発表した新潟市南区の臼井中2年、水沢椿さん(14)は「これまで知らなかった脱炭素の取り組みが分かった。今回調べたことを実際に取り入れながら、さまざまなことに参加して将来に貢献していきたい」と話していた。