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  • リレーコラム

脱炭素社会の実現へ新たな技術を生み出す新潟県内の研究者らが、自身の研究や脱炭素への思いなどを自由につづります。

県内の理工系5大学・短大・高専と、本県と関わりのある企業のリレーコラムです。(隔週木曜日夕に配信=第5週がある場合は休み)

リレーコラムVOL.45

ENEOS Xplora 中条事業所
中条共創の森オープンイノベーションラボ(NOiL) マネージャー
小久保 晋一こくぼ しんいち

新潟大学大学院 自然科学研究科を修了。2009年に新日本石油開発株式会社[現ENEOS Xplora(株)]に入社。10年以上にわたり、UAEのアブダビへの赴任をはじめとして、国外の石油・天然ガス開発プロジェクトに地質技術者として従事。その後、デジタル推進部を経て、2022年10月から現職。

胎内市立中条中学校にて環境教育ワークショップを開催 ~J-Startup イノカと連携し、次世代育成を支援~

当社は、中条事業所 中条共創の森オープンイノベーションラボにおいて、2026年3月13日(金)に、海洋環境分野のスタートアップである株式会社イノカ(※1)とともに、胎内市立中条中学校(※2)の1・2年生全8クラスを対象に、「未来を担う中学生と考える、新潟の海とエネルギーの共生」と題したワークショップを実施しましたので、今回紹介いたします。

本活動は、当社の社会貢献活動の一環として、エネルギーについて学んでいる胎内市の中学生に地球環境への取り組みを学んでもらうことを目的として実施しました。村上市および胎内市沖で計画されている洋上風力発電事業に関連し、海洋環境教育を推進するイノカを講師として招きました。当社はこれまでにも、「新潟県教育の日」における社員による出前授業の実施や、にいがた脱炭素プロジェクト「中学生円卓会議」における中条中学校の発表へのサポートおよびオブザーバー参加などを通じて、地域の教育活動に継続的に関わってきました。このような取り組みの中で、地域の未来を担う中学生に、エネルギーと環境の共生について考える機会を提供するため、今回のワークショップを開催しました。

『環境教育ワークショップ』のプログラム内容

本ワークショップは、胎内市の発展に貢献してきた当社事業をはじめとしたエネルギー産業の歴史や、胎内市沖の海洋環境への理解を深めることを目的としています。さらに、クイズや実験を通して海藻の生態や洋上風力での海藻養殖の可能性が学べる内容となっており、海藻によるCO2吸収が期待される「ブルーカーボン」の可能性や地域で進めている洋上風力を活用した取り組み案なども提示しながら、中学生にもわかりやすく、主体的に考えられるような内容としました。

今回、胎内市や新潟漁業協同組合北蒲原支所の地元漁師さんへのインタビューを踏まえ、地球温暖化による温室効果ガスの増加が原因となって進む海水温の上昇や藻場の減少により、胎内市の海で起きている漁獲量や魚種の変化についても紹介しました。その際、生徒からは「胎内市も今と昔でとれる魚が変わってきていることを初めて知りました」という声があり、地元の環境の変化を実感する良い機会になったようです。

新潟県の天然ガス自給率と当社の取り組みを紹介
クイズで新潟ゆかりの海藻「エゴノリ」を紹介
好きな海藻を選び、すりつぶして観察
抽出した光合成色素に紫外線を当て、赤く光る様子を確認

生徒のみなさんからは、学びの中でたくさんの驚きや気づきの声がありました。たとえば、「海藻のワカメなどは、CO2を減少させる働きがあることが分かりました」という声や、「洋上風力発電による海藻養殖の可能性についてと、海藻が減少している現状を初めて知りました。エネルギーとの両立が可能かもしれないと知るとすごいことだなと感じました」という感想もありました。

また、「ワークショップを通して胎内市が行っている脱炭素への取り組みを詳しく学んでみたいと思いました」という前向きな意見も寄せられました。こうした言葉から、生徒のみなさんがエネルギー産業の歴史や胎内市周辺の海洋環境への理解をしっかり深めてくれたことを実感しています。

当社は、ENEOSグループの主要な事業会社として、ENEOSグループの行動基準「環境保全」のもと、環境教育を通じてエネルギーやカーボンニュートラルについて理解を深めるとともに、地域の未来を担う人材育成に貢献するため、今後も子どもたちの学びを継続的に支援してまいります。

洋上風力発電設備を活用した海藻養殖の可能性を紹介
  • 株式会社イノカ:生物多様性や藻場の保全など自然関連の新規事業創出に取り組むほか、環境分野の教育・研修プログラムを国内外に多数提供しており、これまでに延べ2万人以上が参加しています。J-Startupとは、経済産業省が推進するスタートアップ支援プログラムで、株式会社イノカはその第5次選定企業です。株式会社イノカ 環境移送企業 -自然の価値を、人々に届ける-
  • 中条中学校:地域貢献活動「まちづくり会社 中条中学校社」を設立し、地域の方との共創を通じて、中学生が地域課題を解決する活動を進めています。気候変動の分野では、村上・胎内沖で計画されている洋上風力を通じて再生可能エネルギーについて学んでいます。

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