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アクション8 ファッションをもっとサステナブルに

地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出削減に向け、一人一人が大量生産・大量消費・大量廃棄型のライフスタイルを見直していくことが大切だ。私たちが毎日身に着ける衣服についても、製造にかかる資源やエネルギー使用の増加、廃棄までのサイクルの短期化が懸念されている。そこで、注目されているのが、生産から着用、廃棄までのプロセスを含めて環境に配慮した持続可能な「サステナブルファッション」だ。県民一人一人が、意識的に取り入れられる身近な脱炭素への取り組みだ。

残った糸から新ブランド

環境省によると、2019年のデータを基にした調査で、衣服を1着製造するために排出されるCO2は、推計約25.5kg。製造工程で排出される端材は推計年間約4.5万トンで、約1.8億着分の生地になる。また、環境省の22年度調査では、着用した服の約68%がごみとして廃棄され、そのうち焼却・埋め立て処分は年間約45万トンに達するという。

環境負荷が大きかったこれまでのファッションを改善するため、サステナブルファッションに取り組む企業がある。五泉市でニットを製造・販売する「高橋ニット」は、残った材料の糸を有効活用し、新たな製品に生まれ変わらせるアップサイクルの取り組みを実践している。22年には、20~30代をターゲットにしたブランド「nacnarumade(なくなるまで)」を立ち上げた。年間約250着前後を生産し、適切な在庫管理で毎年ほぼ売り切るという。同社オリジナル商品販売部長の伊藤里樹さん(45)は「長く愛用できる、品質の高い製品を、手頃な値段で販売している。国産ニットを身近に感じてほしい」と話す。

高橋ニットの製造工程で残った糸
残った糸を利用して製造した
ブランド「nacnarumade」

お直しなど長く着る工夫を

消費者にも実践できる取り組みがある。衣服をお直しするなどして長く着たり、リユース品を活用したりすることだ。環境省によると、私たちは衣服を手放す枚数よりも購入枚数の方が多く、1年間1回も着られていない服は一人当たり35着もあると言われている。必要かどうか考え、長い目で見て、価値のある衣服を選ぶことが大切だ。さらに、再生原料の使用など製造過程に目を向け、環境に配慮した製品を選ぶこともサステナブルファッションにつながる。また、古着をリサイクル資源として活用する意識を持つことも大切だ。

サステナブルファッションを浸透させていくには、企業と消費者それぞれの取り組みが必須だ。高橋ニットの伊藤さんは「お気に入りの洋服1枚を大切にすることは、人も地球も大切にすることと同じ。ファッションを通して、環境を考えるきっかけにしてほしい」と訴える。

「お気に入りの1枚を長く大切に着てほしい」とサステナブルファッションを呼びかける伊藤さん

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