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アクション2 省エネ住宅に住もう

今年の夏、外の暑さが自宅のエアコンの効きを悪くしていると思い、どうしたら涼しくなるだろうと考えた人はいないだろうか。気象庁によると、新潟市の平均気温は、本県より南に位置する東京と夏季はほとんど変わらないのに、冬季は3℃程度も低くなる。そんな本県で、夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごせる住宅として、県が推奨する「雪国型ZEH(ゼッチ)」がある。どういった住宅なのだろうか。住んでいる人を尋ねてみた。

暑さや寒さ感じない快適さ

訪れたのは、十日町市の会社員、俵山直人さん(38)の住宅だ。妻・由起さんと8歳と5歳の男の子の4人暮らしで、1月に入居した。俵山さん「室内にいると外の暑さや寒さを感じない。とても快適です」と満足そうに話す。

雪国型ZEHは、県が2050年までのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現を目指し、普及に取り組んでいる住宅だ。国が示す「ZEH」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、断熱性能の向上や省エネルギー設備の設置と太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を組み合わせて、住宅の年間のエネルギー収支が実質ゼロになることを目指すもの。このうち、断熱性能をさらに高め、気密性能を確保したものが雪国型ZEHとなる。

県によると、本県は戸建て住宅の割合が全国平均より高く、暖房由来の温室効果ガス排出量が全国平均の2倍にもなるという。そのため、住宅のゼロエネルギー化の取り組みが重要となっている。

住むだけでつながる健康

カーボンニュートラル実現を後押しする雪国型ZEHは、「人にやさしい住宅」でもある。

俵山さんの住宅は、2階建てで、屋根裏に設置のエアコン一つで、全ての部屋の冷暖房を賄っている。室内は年中25度前後で保たれている。俵山さんは「ヒートショックや冷え性になりにくい。健康な体につながる」と話す。

屋根には、太陽光パネルが設置され、自家消費と売電で電気代は実質ゼロという。

ただ、断熱性能などを確保するため、通常のZEHより工事費がかかる。県は「住宅の断熱性能向上で、冷暖房費の削減が見込まれる。試算してみると、一定の期間で工事費用は回収できる」と説明する。

また、現在住んでいる住宅の断熱リフォームも快適性向上に効果的だ。例えば、断熱性能の高い窓への交換や、高効率給湯器への交換が挙げられる。そのほか、家庭用燃料電池システム「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素を使って、発電時に発生する熱を給湯・暖房に利用できる。省エネになり、二酸化炭素と光熱費削減につながる。

雪国型ZEHや省エネリフォームを検討する人には、国や県、市町村の補助金がある。俵山さんは「支援をうまく使って、本当にしたい暮らしはどれかをじっくり考えてほしい」とアドバイス。家族4人の笑顔が絶えない住宅だ。

  • 住宅の大きさや環境などで状況は異なる。また、気密性能の確保のため別途費用がかかる場合がある。
住む喜びを感じるという
俵山さん家族

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